パソコン講師という仕事をしていると、
「どんなパソコンを買ったらいいかわからない」
という相談を受けることがあります。そこで今回は、パソコンに詳しくない人でも自分に合ったパソコンを選べるように、パソコンの選び方をわかりやすく解説していきたいと思います。
初心者向けの内容なので、ある程度知識がある方には物足りないかも知れません。あらかじめご了承ください。
今回は初心者向けということで、
- ExcelやWordなどのオフィスソフトが支障なく使える
- ネット検索が快適にできる
といった点に注目して選び方をお話したいと思います。「詳しい説明はいらない」という方は、スペックのまとめをご確認ください。
パソコンを選ぶ時どこを見ればいい?
まず、パソコンを選ぶ時にどこを見て、どうなっていたらいいパソコンなのか、という点からお話していきます。
パソコンを選ぶ時、見て欲しい部分は
の4つです。
CPU、メモリと言われても何が何だか・・・という方の為に、1つずつ簡単に説明をしていきたいと思います。
CPUって何?
ウィキペディアによると、
CPU(シーピーユー、英: Central Processing Unit)、中央処理装置(ちゅうおうしょりそうち)または中央演算処理装置(ちゅうおうえんざんしょりそうち)は、コンピュータにおける中心的な処理装置(プロセッサ)
と書いてありますが、ちょっと難しいですね。そこでものすごく平たく言うと、CPUはパソコンの「脳みそ」です。
人間も「脳みそ」がないと何も出来ないように、パソコンもこの CPU が入っていなければ何も出来ません。
そしてこの CPU には、
- 処理速度の速い・遅い
- 処理する情報量の多い・少ない
という差があります。
人間でも、とても頭の回転の速い人や、複数のことを同時に処理できる人がいますよね。
処理が速くて、沢山処理を出来るパソコンを買った方が良さそうですが、当然値段が高くなります。
自分がパソコンでどんな作業をするかによっては、処理が速くなくても、同時に沢山のことを処理できなくてもいい場合があります。
自分のやりたいことにちょうどいい CPU を選べば、値段が必要以上に高くなることはありません。
CPUの選び方
では、自分にちょうどいい CPU をどうやって選んだらいいでしょうか。見て欲しいところは
- メーカー
- シリーズ
の2つです。
メーカー
まずメーカーですが、これはインテルというメーカーがお勧めです。また最近は AMD というメーカーも評判がいいようです。
わたしはまだ AMD 製の CPU を使った経験がないので、今回はインテルをお勧めしたいと思います。
シリーズ
次にシリーズですが、これは CPU の種類です。インテルというメーカーの CPU には色々と種類があり、その中でもお勧めしたいのは
- Core i3
- Core i5
- Core i7
というシリーズです。
基本的には、数字が大きくなるほど性能が上がります。
各シリーズには「世代」というものがあり、第1世代より第2世代、第3世代と性能が良くなる傾向にあります。
同じ Core i3シリーズでも、世代によって処理速度が違います。購入時に世代が確認出来るようであれば、数字が大きい方が性能がいい場合が多い、とぜひ覚えておいてください。
今回は、オフィスソフト(Word・Excel)が使えて、ネット検索も快適に出来るということで選ぶので、i3 か i5 のどちらかでいいと思います。
どちらにするかは値段との相談で決めてください。
メモリって何?
次にメモリの話にうつります。またまたウィキペディアに聞いてみると、
記憶装置(きおくそうち)は、コンピュータが処理すべきデジタルデータをある期間保持するのに使う、部品、装置、電子媒体の総称。「記憶」という語の一般的な意味にも対応する英語としてはメモリ(英: memory)である。
ということで、相変わらずよくわかりません。ただ一箇所気になるのは、
コンピュータが処理すべきデジタルデータをある期間保持する
という部分です。
一般的にメモリ(メモリー)という言葉から連想するのは「記憶」という単語ではないでしょうか。
メモリー=記憶=データを保存する場所、と思われがちですが、そうではありません。データを一時的に保持する場所、それがメモリです。
ここで情報を一時的に記録しておいてくれるので、同じページを何度も見る時や、同じファイルを何度も使う時、開くのが速くなります。
つまりメモリの容量は、作業スピードと関係しています。
データを保存する場所は「HDD」「SSD」と呼ばれる別の場所です。この2つについてはまた後ほどご紹介します。
メモリの選び方
メモリは、よく机に例えられます。メモリが大きい=机が広い=作業スペースが広い、というイメージです。
では、どのくらいスペースが広ければ快適に作業出来るかというと、これも作業内容や、同時に複数の作業をおこなうかどうかによって変わります。
今回は、オフィスソフトを使いながらネット検索もする、ということですので、8GB あれば問題なく操作できるでしょう。
もちろん多いにこした事はありませんが、値段が高くなりますので、最低8GB ということで探してみてください。
HDD と SSD
次に決めるのは、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)にするか、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)にするかという点です。
この2つの主な違いは保存方法の違いです。
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)
HDD はレコードのような円盤が中に入っていて、その上を針が移動(シークといいます)して保存しているデータを探します。
保存するデータが増えるほど、必要なデータを見つけるのに時間が掛かるようになります。パソコンを使っていると、段々データを開くのに時間が掛かるようになるのはこのためです。
SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)
SSD は保存方法の違いから、データを開く速度がとても速いです。
以前は、容量が小さかったり値段がとても高価だったりしましたが、最近では値段も下がって来て容量も増えて来ました。
ノートパソコンで、HDD ではなく SSD を搭載したものもよく見かけるようになりました。
データ容量は HDD の方が大きいものが売っていますが、パソコンの起動と終了の速さから考えて、私のお勧めは SSD です。
実際にわたしが使っているのは SSD 搭載のノートパソコンですが、起動と終了がとても速くて驚きます。
速度以外にも、SSD には
- 音が静か
- 熱を持ちにくい
- 小さくて軽い
といったメリットがあります。
逆にデメリットとしては
- 容量が小さい
- 値段が(HDD よりは)高い
などがあります。
メリットとデメリットを踏まえ、わたしは SSD をお勧めしたいと思います。
SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)の選び方
では、どのくらいの容量の SSD を選べばいいか、ですが、最低 256GB は欲しいところです。
HDD であれば、1TB のものも安価で売っています。
容量が大きく安いので 1TB の HDD と迷うと思いますが、保存容量が足りなければクラウドを利用したり、外付けHDDを追加することもできます。
保存容量よりも、起動と終了の速さで SSD の 256GB 以上を強くお勧めしたいです。
パソコンは、ある日突然壊れます。せっかく作ったデータや、保存していた写真が消えてしまうことのないよう、バックアップは必ず用意するようにしましょう。
その際バックアップは、必ずパソコン本体以外のところ(クラウド上、外付けHDD、DVDなど)に用意してください。
オフィスソフトがMicrosoftの製品かどうか?
最後に、WordやExcelなどのオフィスソフトを同時に購入する場合、ぜひ注意して欲しい事があります。
それは、付属するオフィスソフトが「Microsoft 社製のオフィスソフトか」ということです。
中古でパソコンを探す場合、「オフィス付き」と書いてあっても、Microsoft 社製のオフィスソフトのことではない場合が多々あります。
オフィス付きのパソコンで値段が安いものは、大抵「WPS Office」というKingsoft 社製のオフィスソフトが入っています。
Kingsoft 社製のオフィスソフトが悪い訳ではありません。ただ、Microsoft 社製のオフィスソフトが入っていないとデータが動かない場合があります。
Microsoft社製のオフィスソフトを買ったつもりが違った、となると困るので、念のため注意して確認するようにしてください。
スペックのまとめ
ここまで、パソコンを購入する際、気を付けて頂きたい点についてお伝えして来ました。
最後に、これまでお伝えした内容をまとめます。
- CPU:インテル社製の Corei3シリーズまたは Corei5シリーズ
- メモリ:8GB 以上
- SSD:256GB 以上
- オフィスソフト:Microsoft 社製のもの
中古のノートパソコンであれば、上記のスペックで3~5万円程度で販売されています。
見た目やデザインにこだわりたい方には、正直お勧めできません。でもそこを妥協できるなら、思っているより安くパソコンは購入可能です。
「中古でもいい」という方は、一度インターネットサイトで上記のスペックを検索してみてください。思っているより安く売っていて驚くと思います。
パソコンの見た目よりも、そのパソコンを使って何をするかのほうが大事です。購入を検討している方、パソコンを購入して、資格を取ったり新しいソフトを勉強したりしてみませんか?
意外な才能に目覚めることがあるかも知れませんよ。
こちらのサイトで、今後もパソコンに関する色々な情報を発信していきたいと思います。
それではまた。