CS検定の課題2でたまに出題される「ROUNDUP関数」と「CEILING関数」。
今回は、この紛らわしい2つの関数についてご紹介していきます。
数値を切り上げる関数
エクセルのテキストでは、「ROUNDUP関数」も「CEILING関数」も、どちらも「数値を切り上げる関数」として紹介されています。
同じ「数値を切り上げる関数」ということで、何が違うのか、どう使い分けたらいいのか、職業訓練でもよく質問されます。
そこで今回は、相違点や使い方について、具体例を挙げながらご紹介してみたいと思います。
ROUNDUP(ラウンドアップ)関数
まず1つ目は「ROUNDUP関数」から。
この関数は「数値を任意の桁数で切り上げる」役割があります。
ROUNDUP関数の式
ROUNDUP関数の式の立て方は
=ROUNDUP(数値,桁数)
となります。
1つ目の引数である「数値」は、これから切り上げたい値を指定します。
値の指定は、数字を直接入力したり、計算式を入力したり、セルを参照したりします。
2つ目の引数である「桁数」は、何桁目(何の位)で切り上げたいかを指定します。
「桁数」には以下のような数字を入力します。
- 0…小数点以下第一位を切り上げ、一の位までの表示にする
- -1…一の位を切り上げ、十の位までの表示にする
- -2…十の位を切り上げ、百の位までの表示にする
- 1…小数点以下第二位を切り上げ、小数点以下第一位までの表示にする
- 2…小数点以下第三位を切り上げ、小数点以下第二位までの表示にする
CEILING(シーリング)関数
2つ目は「CEILING関数」。
この関数は「数値を任意の値の倍数に切り上げる」役割があります。
CEILING関数の式
CEILING関数の式の立て方は
=CEILING(数値,基準値)
となります。
1つ目の引数である「数値」は、これから切り上げたい値を指定します。
ROUNDUP関数と同じく、数字を入力したり、計算式を入力したり、セルを参照したりします。
そして2つ目の引数である「基準値」は、この数値の倍数に切り上げたいという数値を指定します。
例えば6の倍数に切り上げたい場合、「基準値」に6と指定します。
ROUNDUP関数とCEILING関数の使い分け
それぞれの関数の基本を確認したところで、具体的な使い分け方を見ていきましょう。
以下のような例題を用意しました。
缶ジュースが158本あります。
この缶ジュースを、6本1セットで箱詰めしたいです。
この時、箱はいくつ必要か関数を使って調べましょう。
その際、6本に満たない本数が残っても、箱を1つ使って箱詰めすることとします。
ROUNDUP関数の場合
例題を学校で習った算数的に考えると、
- 158÷6=26.33333…(158本を6で割ると26余り2)
- 26+1=27(余り2を1箱に入れて26箱に1を足す)
という順番で計算をしていくと思います。
ROUNDUP関数を使う場合は、この算数的な考え方と同じです。
例題をROUNDUP関数で解く
では式を立ててみましょう。
1つ目の引数「数値」には、158本を6で割る、という計算式を設定します。
=ROUNDUP(158/6,桁数)
今回は例題なので数字をそのまま入力して割り算を設定していますが、セルに数値が入力されている場合は、通常セル参照を使います。
例:セルC3に158、セルC4に6が入力されている場合
=ROUNDUP(C3/C4,桁数)
2つ目の引数「桁数」には、一の位の答えが欲しいので0を設定し
=ROUNDUP(158/6,0)
答えは「27」となります。
CEILING関数の場合
では次に、CEILING関数の場合はどういう考え方になるかを見てみましょう。
CEILING関数は、割り算の結果に余りが生じないよう、先に切り上げをおこないます。
切り上げる対象は158です。
これを6の倍数に切り上げてから6で割ると、割り算の結果に余りは発生しません。
例題をCEILING関数で解く
では例題を解いてみましょう。
まず最初に158を6の倍数に切り上げるので
=CEILING(158,6)
という式になり、162という答えが返ってきます。
6の倍数になったところで割り算をおこないます。
先ほどのCEILING関数の後に割り算をつけて、
=CEILING(158,6)/6
とすると、答えは「27」になります。
ROUNDUP関数とCEILING関数 まとめ
ROUNDUP関数は、割り算をして切り上げるところまでできるので、これ1つで答えにたどり着けます。
しかしCEILING関数は、6の倍数に切り上げることしかできません。
CEILING関数の閉じカッコの後に、割り算の/6をくっつけてやっと答えが出ます。
この点がROUNDUP関数との大きな違いです。
コンピュータサービス技能評価試験(通称:CS検定)でも、こういった問題がよく出題されますが、解答はどちらの関数を使っても問題ありません。
練習問題集などで、CEILING関数が正解として記載されていても、ROUNDUP関数を使っているから間違いということではありません。
CS検定の出題は、「関数を用いて」という指示しかありませんので、関数を使って正しい答えが出ていれば、どの関数を使っても正解になります。
この2つの関数の使い分けが苦手な方は、得意な方だけ覚えるということで問題ありません。
今回は、紛らわしい2つの関数についてご紹介しました。
それではまた。