これまで、ワープロ部門3級、表計算部門の2・3級についてご紹介してきました。
そして今回は、ワープロ部門の2級についてご紹介したいと思います。
ワープロ部門2級では、3級にはなかった段組みや地図作成など、新しく習得することがたくさん増えます。
はじめて問題を見た時は、
「10分増えただけじゃ時間が足りない」
と思うかも知れません。
しかし、コツを掴んでしっかりと練習を積めば、決して合格できない検定ではありません。
これからご紹介するコツをふまえて、ぜひ2級合格を目指してください。
CS検定ワープロ部門2級の概要
CS検定のワープロ部門2級は、3つの課題を60分以内に完成させる検定試験です。
3級が3つの課題を50分以内に完成させる試験だったのと比較すると、同じ課題の数で時間が10分伸びました。
ずっと3級を勉強していた人が、はじめて2級の課題を見ると、難易度がかなり上がっていることに驚くと思います。
課題2の表は文字数が増え、罫線の設定も複雑になります。
また、3級では1つだった表が2つ、多い問題では3つに増えます。
また、図形を使った地図の作成や、段組み・インデントなど、3級では出題されなかった問題が課題3で出題されます。
最初は時間がかかっても構いません。
しっかりと手順をマスターすれば、徐々に時間は短縮できます。
一つ一つ確実に身につけていきましょう。
ワープロ部門2級の実用度
ワードを一切使わない企業もあるので、職場環境によっては使う機会がまったくない可能性もあります。また、エクセルでも書類は作れるため、ワードは不要という考えの人や会社が存在します。
ただし、エクセル中級以上のスキルを持つ人はたくさんいますが、ワード中級以上のスキルを持つ人は多くありません。
その分、ワードのスキルを身に付ければ、人とは違うアピールポイントになります。
ワープロ部門2級のコツ
それでは各課題ごとに、コツやポイントを見ていきましょう。
課題1:文字入力
課題1は、3級と同じく単純な文字の入力問題です。
約500文字程度の文章を、迅速かつ正確に入力していきます。
この課題に使える時間は、3級と同じく保存まで含めて10分以内です。
文字数が3級の1.5倍に増えても、ほかの課題に回す時間を考えると10分以上は使えません。また、課題2でも大量の文字を入力する必要があります。
2級の合格には「タッチタイピング」が欠かせない要素になります。
「タッチタイピング」は「ブラインドタッチ」と同じ意味で、「キーボードをあまり見ずに文字を入力すること」を言います。
「ブラインド」という言葉があまり好ましくないということで10年以上前から「タッチタイピング」という呼び方に変えようとしていますが、なかなか浸透していません。
以上のような理由から、当サイトでは「タッチタイピング」という表現で統一することにしています。
3級の記事でもお話しましたが、全体の7割程度が入力出来ていればOKです。
最後まで入力することにこだわらず、すぐ次の課題に進むようにしてください。
※ワープロ部門3級の記事を確認したい方は以下からどうぞ。
500文字の7割は350文字です。
10分間で350文字入力できるようになれば、2級合格の可能性が出て来ます。
ただし、入力ミス(誤字、脱字、変換ミスなど)があれば減点対象になりますので、入力ミスがないか確認することも大切です。
課題1のコツ
- 10分で最低350文字入力できるようにタッチタイピングを練習する
- 入力ミスがないように確認するクセをつける
課題2:文書の作成
課題2は、3級と同じく一から文字を入力し、ビジネス文書を作成する課題です。
3級との違いは、
- 入力する文字数が増える
- 挿入する表が2つ以上に増える
- 表の設定(罫線、結合など)が複雑になる
の3つです。
そんな課題2を攻略するためのコツは次の通りです。
課題2のコツ
- タッチタイピングを身につける
- 表の挿入は後回しにする
- 表内の文字は書式設定の指示があるものから入力する
- F4キーを効率的に使う
タッチタイピングを身につける
2級はとにかくタッチタイピングが必須です。
3級の記事でもご紹介した無料サイトなどを活用し、タイピングの速度と正確性を高めるようにしてください。
ただし、いくら入力が速くても、ミスが多ければ減点対象になります。
「速く、正確に」
を目指して、1日10分を目安に毎日練習するようにしましょう。
表の挿入は後回しにする
課題2の問題を、先頭から順番に入力していくと、途中で表が出てきます。
これも3級の記事でご紹介しましたが、表の挿入は後回しにして、とにかく文字を最後の行まで入力しましょう。
この時、表を挿入する箇所に1行だけでいいので改行を入れておいてください。
あとから表を挿入する時に必要です。
最後の行まで文字を入力し終わったら、いったん先頭に戻って書式設定(右揃え、中央揃え、太字、下線、フォントサイズ変更など)をしながら下に降りて来ます。
そして表の挿入箇所に来たタイミングで表を挿入しましょう。
表内の文字は書式設定の指示があるものから入力する
表を挿入したら、まず罫線の位置を合わせます。
そして、セルの結合や罫線の種類変更などをおこなって表の体裁を整えましょう。
その後、表内に文字を入力していきますが、この時優先順位があります。
それは、「書式設定の指示がある文字から入力」する、ということです。
タイピングスピードが速く、時間に余裕がある方ならどこから入力しても構いません。
ですが、多くの方は時間が足りないと思います。
検定合格のポイントは「減点される項目を減らす」ことなので、指示があるところは優先的に入力する必要があります。
CS検定は「減点方式」の検定試験です。
正解しているところに加点するのではなく、間違っているところからどんどん点数を引いていきます。
そのため、パッと見はある程度出来ているように見える人が、0点で不合格になるという事が起こります。
減点されるところを減らすのが、CS検定攻略の最大のポイントです。
時間的にすべての文字を入力できない場合は、書式設定の指示がある文字から優先的に入力するように練習していきましょう。
また、同じ記号や文字は積極的にコピーを活用して、時間短縮を図るようにしてください。
F4キーを効率的に使う
課題2の表は、罫線やセルの結合がとても複雑です。
そのため、同じ作業はなるべく連続しておこなうようにして、時間短縮を図ります。
例えばセルの結合をする時には、1箇所結合して別の作業に入るのではなく、結合できるところをまとめて結合しておきます。
そのとき、F4キーを使うととても便利です。
F4キーは、「1つ前の操作を繰り返す」キーです。
セルの結合をし、次の結合場所を範囲選択してF4キーを押すと、セルの結合という操作が繰り返されます。
わざわざマウスでボタンを押さなくて済むので、かなりの時間短縮になります。
F4キーはぜひ使えるようになってください。
課題3:文書の編集・校正
課題3は、提供データを使います。
そのため文字の入力が「受験番号」「受験者氏名」「保存名」「一部の文字の修正」と少なく、入力が苦手な方でも、慣れれば短い時間で完成できる可能性があります。
課題3では、3級で出題されなかった
- 段組み
- インデント
- 図の挿入
- 文字列のテキストボックスへの変換
- 図形を用いた地図の作成
が必ず出題されます。
最初は難しく感じるかも知れませんが、どれも手順を覚えてしまえば難しい操作ではありません。
課題3のコツ
- 受験番号と受験者氏名を入力する前に提供データを貼り付ける
- インデントは「レイアウト」タブで左右同時に設定する
- 図の挿入後「文字列の折り返し」を前面に変更する
- 図の位置合わせはサイズ変更でおこなう
- 地図作成はコピーとF4キーを活用する
受験番号と受験者氏名を入力する前に提供データを貼り付ける
課題3の提供データは、ワード形式ではなくテキスト形式になっています。
そのため、3級の課題3のように、提供データをそのまま開いて操作をすることはできません。
2級の課題3に取り掛かる時は、まずワードと提供データを同時に開いておき、提供データの全文をコピーしてワードに貼り付けます。
「Ctrl」キー+「A」で全文を簡単に範囲選択することができます。
提供データの全文をワードに貼り付けたら、問題で指示のある場所に受験番号と受験者氏名を入力し、いったん名前を付けて保存をおこなっておきましょう。
インデントは「レイアウト」タブで左右同時に設定する
インデントを設定するボタンは、「ホーム」タブと「レイアウト」タブにありますが、この課題の場合は「レイアウト」タブを使います。
何故なら、「ホーム」タブのインデントは「左インデントのみ」なのに対し、「レイアウト」タブのインデントは「左インデント」「右インデント」があるからです。
以下のようなデータを、
次のように設定する場合、
「左インデント」2文字、「右インデント」2文字の設定をしています。
「ホーム」タブには「左インデント」ボタンしかないため、「右インデント」の設定をするにはどうしても「レイアウト」タブを使わなければなりません。
どうせ「レイアウト」タブを使うのなら、最初から「左インデント」も「レイアウト」タブを使った方が効率的です。
図の挿入後「文字列の折り返し」を前面に変更する
課題3では、イラストや写真が提供データとして用意されていて、指定された場所に指定されたサイズで挿入しなければなりません。
「挿入」タブ→「画像」で提供データのイラストや写真をワード文書内に挿入すると、最初は必ず「文字列の折り返し」が「行内」という設定になっています。
「行内」のままでは、サイズ変更や移動ができません。
そのため、イラストや写真を挿入したら、まず最初に「文字列の折り返し」を「前面」に変更し、移動やサイズ変更ができる状態にします。
絶対に「前面」でなければいけない訳ではありませんので、職業訓練校などでほかの設定を教わっている方は教わった通りで問題ありません。
一番扱いやすいのが「前面」だなと思っているので、ここでは「前面」をおすすめしています。
「前面」を使用する方は、写真やイラストを挿入する場所に、改行やインデントなどでスペースを作っておくと操作がしやすいです。
図の位置合わせはサイズ変更でおこなう
写真やイラストの挿入後、指定の場所への移動とサイズ変更をおこないます。
通常、写真やイラストのサイズを変更する時は、縦横の比率が変わらないように変更をおこなうのが普通です。
しかしこの課題に関しては、サイズを変更しながら位置やサイズを合わせていきましょう。
操作が簡単で、時間も短くて済みます。
地図作成はコピーとF4キーを活用する
最初は難しく感じる地図作成ですが、だいたいパターンが決まっていますので、自分なりの手順を決めてしまえばそんなに難しい課題ではありません。
そして、コピーやF4キーを活用すると、思ったより簡単に速く、地図を作成することができます。
地図作成手順
地図作成は、以下の手順で作成すると楽です。
- 1枠線を描く
周辺の文字やイラストなどを見て、位置を合わせながら描く
- 2道や線路になる直線を描く
「描画モードのロック」を使って直線を描く
※「描画モードのロック」については次項で説明 - 3描いた直線の太さや線種を設定する
線の太さが同じ線を「F4キー」を使って設定する
細い線→太い線→破線(線路)の順番がおすすめ - 4駅や建物などの図形を描く
同じ形の図形は「描画モードのロック」の使って描く
周囲の文字などを参考に、なるべく位置やサイズを合わせる - 5挿入した図形に文字を入力する
入力した文字が切れないようにサイズを微調整
- 6テキストボックスを挿入し文字を入力する
テキストボックスを挿入後、文字を入力する
複数ある場合は適宜コピーを活用する
「描画モードのロック」を使う
同じ直線や長方形などを描く時、「挿入」タブ→「図」グループ→「図形」から何度も該当の図形を選択するのは手間がかかります。
そこで、ぜひ使って頂きたいのが「描画モードのロック」という機能です。
描きたい図形を選択する時、マウスでクリックするのではなく、図形の上で「右クリック」→「描画モードのロック」を選択すると、解除するまで何度でも同じ図形を描くことができます。
「描画モードのロック」の解除
解除するまで何度でも同じ図形が描ける、ということは、不要になったら解除をする必要があるということです。
解除の方法は、キーボードの左上あたりにある「Esc(エスケープ)」キーを使います。
必要な図形が描き終わったら、忘れずに解除するようにしましょう。
今回は、コンピュータサービス技能評価試験ワープロ部門の2級について、課題ごとにご紹介してきました。
3級をいい成績で合格した方でも、2級は習得するのに時間がかかります。
色々なパターンの練習問題を何度も解いて、ぜひ2級合格を掴み取ってください。
皆さんの検定合格を、心から応援しています。
それではまた。