今回は、CS検定ワープロ部門2級の中で、初めてやることが多い「課題3」の中から、
- 図形を使った地図作成
について、詳しく手順を解説したいと思います。
実務的な話で言えば、今はGoogleマップがあるので、地図を挿入したかったらGoogleマップの画面キャプチャを挿入すると思います。
図形で地図を作成することは、ほぼありません。
ただ、これが出来るようになると、図形が自由に扱えるようになります。
地図は作らなくても、何かの書類で図形を使うとき、思い通りに作業が出来るようになるので、「図形を自由に扱う練習」と思って取り組んでみてください。
最初はゆっくりで構いません。
何回も練習を重ねて、一つ一つ確実に身に付けていきましょう。
図形を使った地図作成の手順
それでは、図形を使った地図の作成手順を見ていきましょう。
外枠を引く
最初に、地図のベースとなる外枠を描きます。
1. 「挿入」タブ→「図」グループ→「図形」の▼→「正方形/長方形」をクリックする
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2. 周囲の文字列やイラスト、テキストボックスなどを参考に、出来るだけ位置を合わせながら図形を描く
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3. 「描画ツール」→「書式」タブ→「図形のスタイル」グループ→「図形の塗りつぶし」で、「塗りつぶしなし」を選択する
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ここで描く外枠は、後から大幅な変更はできません。必ずこの段階で位置やサイズをしっかりと合わせておくようにしましょう。
サイズが小さ過ぎると、問題にある建物が全部入らなかったり、文字が切れてしまったりして減点の対象になります。
道路・線路を描く
外枠が出来上がったら、続けて道路と線路を描いていきます。
この時、外枠を選んだままにしておくと、「描画ツール」の左端に「図形の挿入」が表示され、ここから図形を挿入できて便利です。
1. 「描画ツール」→「書式」タブ→「図形の挿入」から、「線」の上で右クリックし「描画モードのロック」を選択する
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「線」の上をクリックすると、1回だけ線が引けます。
この後何回も線を引く必要があるので、クリックではなく「右クリック」→「描画モードのロック」で連続して線を引ける状態にするほうが時間短縮に繋がります。
※描画モードのロックは、不要になったらすぐ「Escキー」で解除しましょう。
2. 外枠に両端が接している線から先に描いていく(この時、周囲の文字列を参考に、位置をなるべく合わせる)
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「Shiftキー」を押しながら描くと、真っすぐの線が引けます。
正円(キレイな○)や正方形、正三角形も同じです。
3. 線をすべて引き終わったら、必ず「Escキー」で「描画モードのロック」を解除する
道路・線路の線種や太さを変更する
次に、引いた線の太さや線の種類を変更していきます。この時おすすめの順番は、
- 細い道路 → 太い道路 → 線路
の順です。
線路だけは、線種(線の種類)を変更する必要があります。
時間短縮のため、同じ作業は「F4キー」を使って簡単に繰り返したいので、明らかに違う線路を最後に回します。
1. 細い道路の線を選択し、「描画ツール」→「書式」タブ→「図形のスタイル」グループ→「図形の枠線」の▼→「太さ」で 2.25pt を設定する
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職業訓練校の先生に「この太さを選ぶように」と習っている場合は、その太さを選んでください。
2. ほかに細い道路があれば、線を選択して「F4キー」を押す
3. 細い道路が終わったら太い道路(線路以外)の線を選択し、同じ手順で 4.5pt を設定する
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4. 線路以外のすべての太い道路に「F4キー」で同じ設定をかける
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5. 線路に「F4キー」で太さを設定する
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6. 線路に「描画ツール」→「書式」タブ→「図形のスタイル」グループ→「図形の枠線」の▼→「実線/点線」→「点線(丸)」を設定する
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線路を最後にすることによって、線路の線を選択→線の太さ変更(F4キー)→線種変更と、線路に対して連続して設定をかけることができ、時間短縮に繋がります。
駅・建物・吹き出しを描く
次に、駅や建物、吹き出しなどの図形をすべて描いていきます。
1. 駅を描く(最初は駅、と決めておくと迷わない)
2. 必要に応じて「描画モードのロック」を使いながら、建物をすべて描く
3. 最後に吹き出しを描く
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4. 吹き出しに文字を入力する
吹き出し内の文字には、前頁の仕様で「フォント」「フォントサイズ」「文字の位置」などの指定がある場合が多いので、忘れず確認するようにしましょう。
図形に3Dを設定する
課題3では、最低1つは3Dの設定が出題されます。
仕様に記載がある内容は優先しておこなうべきものなので、文字を入力するより先に、とりあえず3Dの設定をおこなっておきましょう。
1. 対象の図形を選択し、「描画ツール」→「書式」タブ→「図形のスタイル」グループ→「図形の効果」の▼→「3-D回転」→「3-D回転オプション」を選択する
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2. 右側から出てくる「図形の書式設定」で「3-D書式」をクリックし、内容を展開する
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3. 展開した内容から「奥行き」のサイズを 25pt ~ 30pt に設定し、「3-D書式」を再度クリックして展開を閉じる
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4. 「3-D回転」の「標準スタイル」ボタンを開き、
- 「奥行き」が下方向のみの場合は「透視投影」グループの中
- 「奥行き」が右と下、左と上など、複数箇所にある場合は「斜投影」グループの中
から、課題と同じ方向に奥行きがあるものを選ぶ
課題で使用するボタンは、黄色で囲っている6個のみです。
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ボタンが見づらいですが、どの方向に「奥行き」があるか確認して設定してください。
今回の課題は下方向のみ(奥行き少な目)なので、「透視投影:上」を選択
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5. 「テキストを立体表示しない」に☑をつける
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6. 設定が終わったら、「図形の書式設定」は×で閉じる
「奥行き」が合わないとき
そこまで厳密に気にする必要はありませんが、時間に余裕があって調整したい場合の方法を記載しておきます。
●下方向の厚みを増やしたい
方法は2つあります。
その1:「奥行き」の数値を増やす
その2:「標準スタイル」ボタンの「透視投影:中程度の傾斜」を選ぶ
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●下方向の厚みを減らしたい
「奥行き」の数値を減らす
●下方向以外の厚みを調整したい
「奥行き」の数値を増やす・減らす
駅・建物の図形に文字を入力する
描いておいた図形に、文字を入力していきます。
図形内の文字列に対して、前ページで指示がある場合が多いので、必ず確認して設定をしてください。
1. 3Dの設定をおこなった図形が選択状態になっているため、そのまま文字を入力する
2. 図形を選択 → 文字入力を繰り返す
3. 縦書きの文字があれば、「描画ツール」→「書式」タブ→「テキスト」グループ→「文字列の方向」の▼→「縦書き」で設定をおこなう
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横書きの文字が、幅が狭くて縦に表示されている場合と、縦書きに設定されている場合とでは、文字と文字の間隔が違います。
縦書きは文字と文字の間隔が詰まっているので、そこで見分けてください。
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4. 入力した文字が切れていると減点対象になるため、文字が切れないように図形のサイズを調整する
テキストボックスを挿入し、文字を入力する
最後にテキストボックスを挿入し、文字を入力していきます。
このとき、問題によって「○○通り」という言葉が複数出て来ることがあります(地図という設定なので)。
使い回せそうなものは、どんどんコピーしていきましょう。
1. 縦書きと横書きで、数が多いほうのテキストボックスを「描画ツール」→「書式」タブ→「図形の挿入」グループから選び、地図内に描く
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2. 文字を入力する
3. 「描画ツール」→「書式」タブ→「図形のスタイル」グループ→「図形の塗りつぶし」を「塗りつぶしなし」に設定する
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4. 「描画ツール」→「書式」タブ→「図形のスタイル」グループ→「図形の枠線」を「枠線なし」に設定する
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5. テキストボックスをほかの場所にコピーする
6. 内容を修正する
7. 必要な回数、5 ~ 6 を繰り返す
8. 向きが違うテキストボックスの場所にもコピーする
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9. 文字を修正する
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10. 「描画ツール」→「書式」タブ→「テキスト」グループ→「文字列の方向」の▼で、正しい向きに修正する
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11. 位置や幅、サイズなどを合わせ、文字が切れていないか確認する
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推奨している解答順は「課題1 → 課題3 → 課題2」です。このあと、まだ課題2が残っています。
100点じゃなくても合格できます。
図形が1個足りなくても、テキストボックスが1個足りなくても、少し位置やサイズが違っていてもいいので、決めた時間で次に進むようにしてください。
前頁にある「仕様」は必ずやったほうがいいので、飛ばす図形は「仕様」に指示がないものにしましょう。
参考書籍
今回、参考例として使用した問題は、中央職業能力開発協会が出版している「コンピュータサービス技能評価試験 ワープロ部門 練習問題集 ver.4」に載っています。
p.123~124の「2級パターン1 課題3」を使用しました。
わたしが所持しているのはこちら(↓)の古い方です。
出回っている冊数が少ないのか、異常に値段が上がっているようなので、こちらを購入する必要はありません。
恐らくこちら(↓)の新しい方でも、内容は同じ筈です。
この2冊の違いは、2016に対応しているかどうかだと聞いています。どちらかをお持ちの方は、当サイトをスマホ等で見ながら、実際に問題を解いてみてください。
デュアルモニターのすすめ
モニターが2つあることを「デュアルモニター」といいます。
スマホで解説を見ながら操作確認をしたり、1つのパソコンで、画面を切り替えながら操作確認をするのはすごく大変ですよね。
せっかく資格の勉強をするなら、効率良くやって欲しいなと思うので、可能な方はぜひモニターをもう1つ用意してください。
おすすめのモニターをご紹介しておきますので、興味がある方は一度ご覧ください。
まとめ
今回は、CS検定ワープロ部門2級「課題3」の”図形を使った地図作成”の手順をご紹介しました。
いつもやっていた方法と、違った部分もあったのではないでしょうか。
わたしが担当する講座では、この方法で教えて合格者を出しています。
とにかく無駄を省く、ということに重点を置いた手順になっていますので、時間が足りない方は、ぜひ一度試してみてください。
今回から、スマホで記事を見ながら操作する方が見やすいように、少し記事のレイアウトを工夫してみました。どうでしょうか。
少しは見やすくなっているといいんですが。
それでは。